P205 漆塗り

製図用ペンシルは非常に書きやすく常用にはうってつけなのですが、質感において高級ペンシルには圧倒的に劣るものがあります。
自分でもその点には長らく悩んでおり、やっと答えとなるような製図ペンシルに出会えたと思っています。

それは、こちら。

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皆さんご存知、ぺんてるの名品であるP205に漆塗りを施したものです。
漆塗りはたけじゅんさんという個人で漆塗りをやっておられる方にしていただきました。

あまり値段については言及しない主義なのですが、この漆塗りに関しては確実に値段以上の価値があると思います。
実際にたけじゅんさんも儲からないと冗談めかして言っていました。

P205についてはいずれ別個で詳しく記事を書くつもりなので、この記事では漆塗りについてをメインに書きたいと思っています。

それではペンを見ていきましょう。

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細かい点ですが、口金付近の段差です。
いい感じに丸まっており、書いている時に全く気になりません。
こういった細部にまで丁寧な成形がされているのはとても好感が持てます。

ぺんてるのシンプルで、バランスの良い口金でロゴもないシンプルさが際立ちます。
クリップのデザインがいいアクセントになっていますね。

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(上がPILOTの漆塗り万年筆のカスタム845、下が今回オーダーしたP205)

同じ漆塗筆記具ながら、質感が全く異なります。
845はツルっと上品な艶があり綺麗ですが、P205も艶がありながら845にはない吸い付くような独特のグリップ感があるのです。
艶感もP205方が若干潤いを感じるような……言葉にしづらいですが、質感も違います。
よく見ると反射してる光も僅かに違いますね。

因みにこれは透明漆でコーティングしたものではなく、黒漆のみの仕様になっています。
保護が無い分、漆をこころゆくまで堪能することが出来ます。

そういえば、845では僅かしか感じなかった漆のにおいがP205ではすごいしました。
苦手な人は苦手かも……個人的には嫌いじゃないです。
けれど、2週間ほど使ってほとんどにおいは収まってきたので自然と消えていくようです。
ちなみに最初、P205の漆はとても柔らかく、凹みなどが出来やすいそうなのですが、それはまだ完全に乾燥しきっていないからだそうです。それもにおいの原因なんだとか。
半年くらいで完全に固まり、カチカチになってにおいも消えるそうです。

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(下が塗装のないP205、上が漆塗りP205です)

比較ですが、塗装なしのP205が9g、塗装ありのP205が10gです。
同社のPG5も10gです、重量感や重心はP205よりもPG5に近いんじゃないかしら。

ぺんてる/PG5の記事はこちら

僅か1gの差ですが、漆塗りのほうが「身が詰まっている」ような印象受けます。
というのも、もともとP205は爪で叩くと「カシャカシャ」という音がして安っぽい印象が否めなかったのですが、漆塗りだとその音がほとんど無くなったからです。どうでもいいように思えるかもしれませんが、かなり大きな違いです。

そして、P205は12角形軸ですが漆塗りでは円形になっています。
ぺんてるの12角形はオレンズネロにも継承されていますね。
たけじゅんさんによると、指で漆を厚く塗り、ペーパーで完全な円形に仕上げてるんだそう…手作業とは思えぬ丁寧な成形。
塗っては乾かし、塗っては乾かしを約10回、一か月をかけてやっと完成するそうです。
凄い手間…(;'∀')

お話しさせていただいた時に教えて貰ったのですが、たけじゅんさんはP205をこよなく愛しているそうです。
40年間愛用しており、累計最低でも30本は使ったんだとか。
たけじゅんさんは今でも重心を調節するために内部機構に薄い鉛を巻くなど、カスタマイズして使っているそうです。

因みに、P205は今では国内で廃番になり、海外でのみ販売されています。
それをわざわざ個人輸入して、漆塗りを施されているんだそう。
細部の成形の丁寧さからも感じられるP205愛……。素晴らしいです。

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僭越ながら総評させていただくと、ブランド筆記具のような高級感はありませんが、漆を世界で最も堪能できる筆記具の一つと言っても過言でないと思います。
滲み出る品質の良さ…まさに「質実剛健」という言葉を具体化した筆記具ではないでしょうか。
写真では質感や漆のにおい、吸い付くようなグリップ感などが伝わらないのが残念です。

ぜひとも手にとって五感で体感してほしい思考のペンシルです!!
ご購入はこちらのURLから可能です、よろしければどうぞ。

→ たけじゅんさんの漆塗りP205はこちらから

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前回の「Pelikan/スーベレーンD405」の記事はこちらから。

Pelikan/スーベレーンD405の記事



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会話における言葉の在り方

私の通う学校では日直を担当した人は、その日の雑感を書かなければならないという規則があります。
ちょうど最近自分に日直が回ってきて、それで書いた内容が意外と面白かったので記事にしようと思いました。

別にどこの本に書いてあったわけでもないので、飛躍が多く見受けられるかもしれません。
そういった事や意見などあったら自由にコメント欄に書いて貰えると嬉しいです。

さて、本題に入ります。
雑感の内容を考えているときに、教室のあちこちで聞こえた「死ね」などの言葉から着想を得ました。それは、どうしてこういったモラルを欠いた発言をするんだろうという疑問です。
「キチガイ」であったり「ガイジ」、「死ね」などなど……列挙すればキリがない思います。
学校の教員や親はそういった言葉遣いを注意しますが、おそらく言っている当人はそれがモラルを欠くことは改めて考えればわかると思う。それこそ授業やテストで「これらの言葉がモラルに反するか、否か」という問いがあれば小学生でも答えられるでしょう。

では何故そういった言葉が自然と漏れるのか。
意識レベルで倫理観が身についていないというのも理由かもしれませんが、それよりも会話自体に「これは倫理的にどうなんだろう」といった思考が伴っていないという理由の方が当事者である自分としては随分と現実味を帯びているように思います。というのも会話中に思考すること自体、最近は見受けられなくなっているように思うからです。
最も分かりやすいと思う例は「卍(まんじ)」という言葉。一時、かなり流行った言葉です。
流行が去って僅か経った今でも。少なくとも進学校なんて言われる高校に在校していながらその言葉を耳にしない日はありません。この言葉を意味はいくつかありますが、その一つに「意味がない」という意味があります。言葉に意味がないなんて言うのは、言葉を本質から覆すものです。
その他にも「マジで」や「やばい」などもこれに似た要素を持ちます。というのも、これらの言葉は程度の高さや激しさを表すもので、非常に汎用性が高い言葉です。それ故についついこれらの言葉を使って安易に終わらせてしまいがち。これは誰しもあることじゃないでしょうか?

こういった状況は、経済偏重の時代の中で合理的で便利なこれらの言葉が煩雑な日本語を淘汰していると言っていいと思います。それはつまり、言葉の本質である「あらゆる事象を分解、構築する」ということが軽視され、意味が希薄になっているとも言えます。
しかしこれは「話し言葉」という括りに限定されています。論文などの正式な文章では使えません。つまり、会話において言葉の意味が求められなくなっていることにこそ、会話に思考が伴わない原因があるのではないかと思うのです。

蛇足が入るので、少し飛ばしたい方はどうぞ。

ちょっと話が横道にそれますが、先程言葉の本質は「あらゆる事象を分解、構築する」ということだと述べました。分解や構築以外にも、理解や再構築、表現でも可能です。
少しわかりづらいかもしれないので、少し補足をしておきます。視覚や聴覚などの五感によって人間は世界のあらゆる事象(以後、事象と表記)を捉えます。そして一般的には「言葉」でそれを分解します。
例えば、空に鳥が舞っているのを見て「あ、鳥が飛んでる」と言ったとしましょう。「空に鳥が舞っている」という事象を視覚などで捉えて、「言葉」を口にすることでそれを説明しています。これは事象を捉え、脳で理解しようと分解し、口に出すことで再構築していると言えます。脳で分解する段階で、その事象を意味を理解せねばならず、意味は言葉に依拠するので言葉は分解、再構築を担っていると言っていいと思います。

歴史書を書くにしても、小説などににしても。史実や社会の矛盾など、対象は様々なれど、どれもこの工程を経ています。これに沿って言うならば、芸術などはこれを言葉で構築するのではなく、音や絵などの別のツールで事象を構築するものだとも言えます。
思考があって言語があるのではなく、言語があって思考があるといった話を聞いたことがありますが、おそらくこれと考え方は同じだと思います。それ故に言葉は道具だと言える、というのも道具を使う、つまり口に出したり書いたりしない限りこれは道具が置いてあるのと同様で無意味であると思うからです。そして、先述の鳥の例だと分かりづらいですが、社会の矛盾などを理解しようとする際には高レベルな道具、つまり言葉が無ければ分解、理解できません。
だからこそ言葉の意味が多様であればあるほど、理解はより高次なものとなる。そして、語彙力は思考の複雑化と相関関係にあると自分は思っています。

では本題に戻ります。
会話において言葉の意味が不必要になった、軽視されるようになったというのが現状です。これは一見デメリットしかないように思えますが、メリットとして「会話の円滑化」というのがあると思います。つまり、内容ではなく会話をすること自体に意味があるのだと解釈できます。
会話自体に意味がある理由というのは、私は帰属意識を共有すること自体に意味があるからではないかと思っています。というのも、日本の社会はそれこそ相手を慮る忖度が良しとされてきたことで人間関係を強く意識してきた側面があります。そのうえ、SNSの発達に伴う人間関係の不透明化で、現代の日本社会では人間関係の保証、安心感が非常に重要とされているのではないかと考えています。
大人のそういった意識は、教育から子供の意識にまで伝播し、自分たちの深層心理にまで根を張っていると思われます。

簡単にまとめると、会話に思考が伴わなくなった為にモラルを欠いた発言や意味のない言葉が使われる。何故会話に思考が伴わないかというと、会話自体の意味が内容でなく、行為とそれに伴う帰属意識の共有、人間関係における安心感の獲得にあるからだというのが自分の考えです。

でも本当にそれでいいんでしょうか?
これが少しでも考える材料になれば幸いです。

Pelikan スーベレーンD405

展示会も終わり、ひと段落ついてブログにも多少時間がかけられるようになりました。
ブログ自体のデザインを変えたいと思っているのですが、いつになるやら……。

そんなこんなで
今回紹介するのはPelikanのスーベレーンD405です。

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筆記具に多少関心のある方なら必ず耳にしたことのあるスーベレーン。
綺麗なオリジナルレジンと優れたコストパフォーマンス故に人気の万年筆ですね。
今回紹介するD405というのはそのペンシルバージョンになります。

一応簡単に説明すると
Dから始まるのがペンシル、Mから始まるのが万年筆、Kから始まるのがボールペンとなっています。
そしてそれらの後につく、400や405などの数字は基本的に数が大きいほどサイズが大きくグレードアップされるようになっています。
(200と400は同じサイズ、レジンの仕様とニブが異なる)
200、300、400、600、800、1000などなど……。

紹介するD405の405ですが、数字の末尾に「5」が付くのは施されるメッキの違いを表してます。
末尾が「0」だと金メッキ、「5」だとロジウムメッキが施されており、価格は変わりません。

つまり、D405は「400のサイズでロジウムメッキ仕様のペンシル」ということになりますね。
ちなみにペンシルやボールペンでノック式なのは400サイズのみです。(200は廃番)
他はツイスト式になっており、ノック式のほうが便利だと思ったのでこちらを購入しました。

さて、それでは肝心のペンを見ていこうと思います。

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スーベレーン最大の特徴とも言える、オリジナルの縞の入ったレジン。
それでもイタリア万年筆ほど主張も激しくなく、近くで見ると光の当たりようなどで表情が変わり、女性的な品のある華やかさが感じられます。
めちゃくちゃ、綺麗。

ただし、ネット注文するとレジンの接合部分が縞が歪んでいる場合があるので、店頭で縞にズレがないか確認してから購入することをお勧めします。

そして、意外と心惹かれたのがクリップのデザイン。
WATERMANやPARKERなど、海外の筆記具メーカーではクリップがアイデンティティとなっている事が多く、このPelikanも同様なのですがメーカー名通りモチーフのペリカンに忠実で、わずかに立体的な事がとても好印象です。
写真のクリップ部の印影……素敵じゃないですか?(笑)

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キャップにもペリカンのロゴがプリントされています。
細かいところですが、しっかりとデザインされていますね。

先述のとおり、D405はビジュアル面では非常に優れているのですが、あくまで筆記具は道具。
実用性、機能性があってこそですので、そちらに視点をシフトしてみたいと思います。

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スーベレーンのペンシルは内部機構が交換可能な仕様になっています。
最初は芯径0.7mmの内部機構がセットされていますが、2000円で内部機構を買えば0.5mmに自由に変えることが出来ます。
このシステム自体はいいと思います。

ただ、問題はその内部機構です。
ほとんどが樹脂製で、細く2000円のクオリティとは思えません。
ノック感もあまり良くないです。

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(左奥がWATERMANのメトロポリタン、右前がD405)

チャック部も細く、薄いです。正直ちゃっちい。
100円のペンシルの楽ノックの方がチャックはしっかりしています。

高級ペンシルだからといってこういった機能面を疎かにするのはいただけません。
国内メーカーのセーラー万年筆のペンシル、レグラスなどのチャックは樹脂製で、4000円とは思えない仕様でした。

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そして、私が最も言いたいことはこれです。
ペンシルの下半部は樹脂製なのですが、写真を見ればわかるように、非常に薄いです。
ねじ切りもここに彫り込まれているのですが、ねじ切りも非常に薄い。

内部機構自体が細いうえに、これほど下半部が薄いためスカスカの状態です。
これによって紙に芯のあたる際に手に伝わる感触が非常に安っぽいです。

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しかも、オリジナルレジンのある軸の上半部は真鍮が仕様されています。
上半部が真鍮なので重く、下半部に負担がかかるというのに、当の下半部は薄くスカスカで脆いのでとても耐久性があるとは言えません。
実際に私のD405はねじ切り部分が折れ、修理を余儀なくされました。

また、重心は真ん中くらいで、特別書きやすいわけでもないです。
もしかすると苦手な人もいるかもしれないので、店頭での試筆をお勧めします。

これらを考えてD405を評価するならば、見た目だけの綺麗なペンシルといったところでしょうか。
このD405は1万5000円とペンシルにしては高級なものです。
高級感の為に綺麗なビジュアルというのは必要で、このペンシルはクリップやキャップなどの細かいところにまでしっかりとデザイン性が感じられてとても素晴らしいとは思います。
しかし、前回のブログで扱った1万円のWATERMANのメトロポリタンが金属製でしっかりした重厚感と安定感があるのに対して、D405はスカスカで脆く、書いている際も手に伝わる感触がチープです。

ショウケースの中では映えるんですけれどね……(-_-;)

ただし、そのデザインや綺麗さは値段以上のものがあると思います。
デザインに惚れて買われる方は、店頭での入念な試筆と、ある程度の覚悟のうえでの購入をお勧めします。

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前回の「WATERMAN/メトロポリタンエッセンシャル」の記事はこちらから。

WATERMAN/メトロポリタンエッセンシャルの記事

WATERMAN メトロポリタン エッセンシャル

明けましておめでとうございます。
久々の投稿になりますね。

新年初投稿の筆記具は
WATERMANのメトロポリタン エッセンシャルです。

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WATERMANはフランスの筆記具メーカー。
創業者のルイス・エドソン・ウォーターマンさんが世界で初めて万年筆の毛細管現象などを利用したペン芯を開発したことから「万年筆の祖」なんて言われるメーカーです。

このメーカーのデザインはどれも個性的で、ラッカー(工業漆)と真鍮の組合わせを得意としています。
特に舶来筆記具の中ではラッカー塗装のクオリティは悪くないんじゃないかしら。
このメトロポリタンも真鍮軸にラッカー塗装の施されたもので、ほどよい重量感がありますね。

では細かい部分を見ていきたいと思います。

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このペン最大の特徴とも言える天冠部です。
凄い凝ったデザインでもなく、シンプルに斜めにカットされただけですが細身の軸と緩やかな曲線によるフォルムと相まって、流麗なデザインアクセントとしてエレガントな印象を引き立たせているように思います。
最近は北欧やバウハウスデザインなどのシンプルデザインが流行ですが、個人的にシンプルでありつつもこのようなデザインアクセントがあるほうがより洗練された小粋な印象になって好きなんですがどうでしょうか(笑)

WATERMANの筆記具のデザインには一種の美学のようなものが感じられます。
同じくフランスのメーカーではパーカーなどがありますが、その最高級ラインであるデュオフォールドなどは彫刻のような華美で迫力のあるデザインですが、品のないデザインであるという見方も出来ます。
人気なペリカンのスーベレーンも綺麗ですがそれを前面に出し過ぎて野暮にさえ感じたり。
それに比べてこのWATERMANのデザインは飾り過ぎず、それでいてフォルムなどの全体の印象からディティールにおいてまで無駄がなくそれぞれがデザインアクセントとして活きている……筆記具メーカーの中でそのデザイン性はトップクラスではないでしょうか。

えー…長くなりましたが、WATERMANいいですよ。
デザインなんかはかなり個人的な好みに影響されるので、あくまで個人の感想と思っていただければよろしいかと。

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WATERMANのアイデンティティとも言えるクリップデザイン。
これも如何にもWATERMANらしい上品なデザインですね。

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口金部分です。
口金と胴軸の接続の精度が高く、握っていて違和感がないです。
品質が悪いとこの接続部に段差があり、それが引っかかってストレスになるんですよね。

また、クッション機能があるのも大きな評価点です。
筆圧が腕に直接伝わらないように内部に衝撃を吸収するような機構があり、おかげで長期筆記の際も疲れません。
カランダッシュのペンシルやクロス、パーカーにも一部こういった機構が搭載されています。

そして、もしかすると気付いた方もいるかもしれませんが、スライドパイプが付いるんです。
PILOTやペリカンなどの高級ペンシルはスライドパイプが無いものがありますが、あった方が書いている部分が見やすく断然書きやすいです。
製図用ペンシルなどは4mmのガイドパイプがついており、非常に書きやすいので最近学生などの間で人気ですね。
こういった些細な事も、書く際には大きな差になります。

他にもスライドパイプがありクッション機能のあるペンシルはあります。
しかし、それでもメトロポリタンがそれらより書きやすい理由はスライドパイプの長さにあるんです。

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(左から、パーカーのインシグニア、クロスのセンチュリー、WATERMANのメトロポリタン、PILOTのS20)

右端の製図用ペンシル、S20のガイドパイプの長さは4mmです。
それに対してだいたい一般筆記のスライドパイプは2mm前後。半分ほどですね。
けれどこのメトロポリタンのスライドパイプは3mmより長いんです。
これ、大きいですよ。ホント。

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また口金の緩みも一年以上使用していますが、ほとんどありません。
よく口金が緩むPILOTのS20と比べると分かりますが、ねじ切りが多く細かいです。

ちなみに重量は24g。
女性も使いやすい、ベストな重量ではないでしょうか。
全長約13cmで、重心は前から6.8cm、後ろから6.2cmほどです。
ほぼ中心で、取り回しのしやすい重心位置です。

そういえばこのペンシルの定価は9000円+税、ほぼ一万円ですね。
高級ではありますが、値段に見合う、あるいはそれ以上の価値のあるペンシルだと思っています。

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ちなみに私はこのメトロポリタンのデザインが大好きで、ボールペンとセットで常用しています。

以前高級ペンシルとしてペリカンのD405という1万5000円のペンシルを購入したことがあるのですが、軸上部に真鍮が使われ、下部の素材は薄いプラスチックで負荷のかかりやすい構造なうえに、ねじ切りが薄くすぐ壊れてしまったことがあります。
クッション機能もなく、重心位置も微妙で見かけ倒しのペンシルといった感じでした。

それに大してこのメトロポリタンは実用性、デザイン性ともに最高で私の知っているペンシルの中で最高とも言えるものです。
是非一生モノのペンシルを検討されている方は、ご考慮いただけたらと思います。

そういえば、このペンシルは軸が細いので手の大きい男性には合わないかもしれません。
そういった方は、同メーカーのエキスパート エッセンシャルもおすすめです。

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前回の「ぺんてる/PG5」の記事はこちらから。

ぺんてる PG5 の記事





ぺんてる/PG5

今回紹介するのはぺんてるのPG5です。
知ってる方もおおいのではないでしょうか。

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PG5のPGは「グラフペンシル」を表し、5は0.5という芯径を表します。
今は廃番になりましたがPG2,PMG,PG4,PG7などなど…もっと豊富なバリエーションがありましたが今はPG5のみ発売されています。
私もPG2のみですが、持っていますがこれはまた別の機会に…。
とは言ってもグラフペンシルシリーズは発売から45年というロングセラー。(2017年現在)
今回の記事はそれほど長く人気があるのかという事にも着目したいと思います。

とその前に、ぺんてる社はペンシルの歴史を語る上で決して欠かせない存在だったりします。
今ではグラフ1000やスマッシュの限定軸ばかりだしているイメージですが……(^^;)
では少し話しは逸れますがその話をさせて貰います。

元来ペンシルというものは1.18mmが一般的でした。
今でもヤード・オ・レッドが1.18mm仕様になっていますが、ヴィンテージペンシルは基本この仕様です。
理由は鉛筆と同様の製法を適応していたために1.0mmくらいが細さの限界だったからなんです。

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(今はなき「ニューマン」「カノエ」といった筆記具メーカーの1.18mm芯です)

そこでぺんてるが従来の芯の素材に樹脂を配合することで、硬度を強化し、0.5mm芯を世界で初めて開発しました。
これが「ハイポリマー芯」です。

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(恐らくこれだと思うのですが、違っていたら教えて下さい)

その後は樹脂を配合した芯が一般的になります。
例えば、今でもあるトンボなどは「プラしん」として販売していました。
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これに合わせて世界初の0.5ペンシルである「ぺんてるシャープ」が発売されました。
そして当時からするとかなり細い0.5mmという芯は、精密さが重要である製図に用いられるようになり、製図用ペンシルであるこの「グラフペンシル」が発売されたのです。
歴史を感じますね^^

ちなみにこの際に製図用として4mmのガイドパイプ(口金から出るパイプ)が使用され、今でも「ガイドパイプが4mm」であることは製図用ペンシルの定義の一つとなっています。

されさて、では戻って本題のPG5を見ていきましょう。

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クリップです。

製図用ペンシルの定義の一つは「クリップが自由に着脱できること」でして、製図する際は芯が太らないように少しずつ回して持ち替えて使用します。この時にクリップが邪魔になるので、外せるようになっています。
ちなみに私は普段はクリップを外して使用しています。

良いデザインですね。
そこまで凝りすぎないデザインで素直にかっこいいと思います。
以前は銀製だった…みたいな話を聞いたことがありますが、真実は定かではないです。

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ノック部分です。
硬度表示窓はB~4Hまでが設定されています。
今では製図はCADなどで行われ、むしろ一般に学生さんなどが製図用ペンシルを使う事が多いんじゃないでしょうか。
そう考えると、4Hより2Bなどを設定して欲しいですね。
ちなみに消しゴムは付いていません。
自分は全く使わないので問題ないですが、人によっては欲しいかもしれませんね。

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自分が何気に気に入っているのがこの表記です。
昭和レトロな雰囲気が醸し出されていますね。
僅かに入っている黄色の硬度表示窓もそうですが、全体的にスラッとしたフォルムながらも昭和レトロな印象があるというのはデザイン的にもかなり評価が高いです。

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口金部分とグリップです。
口金はシンプルでいいですね。ガイドパイプはスライド式でなく、固定されています。
製図用には固定されているものがやはりいいですね。
先述したPG2などはスライド式になってますが、かなり邪魔です(笑)

特に注目したいのはこのグリップ。
製図用といえばグラフギア1000やグラフ1000、そのほかステッドラーの925シリーズが強いですがどれもローレットかゴムを使用しています。

ゴムの劣化は必然的なもの。まあ買い換えればいい話ですが、ゴムは劣化しますし、汚れます。
道具としては極力長く使用できることを想定すべきというのが自分の考えです。
なのでゴムグリップのペンシルは個人的に、大嫌いです。
そしてローレットは指が痛くなり、長期筆記には大きな短所になります。

それに比べて樹脂溝というのは塗装剥げもないですし、劣化もほとんどしません。
問題となるのは指への負担です。
溝が深すぎると痛くなりますし、浅すぎると効果がありません。
溝と溝の間隔も大きな要因となります。
これらをクリアすれば指への負担をも解決してほぼ全ての欠点を解消出来ます。

そして、PG5のグリップはそれをクリアしていると自分は思っています。
当然何時間も使うと痛くはなりますが他のペンより断然に負担はすくないと思います。
ロングセラーの秘訣はここにあるのかもしれません。
私の知る限りではファーバーカステルのtk9400とPG5の樹脂溝が秀逸ですね。

画像はありませんが、重心はほぼ中心です。
そして当然樹脂軸のPG5はかなり軽量。
低重心というのはよく利点のように言われますが、軽いペンシルにおいてこれは限らないと思います。
軽く低重心(程度によりますが)だとペンが暴れます(笑)
暴れるという表現が正しいかは分かりませんが、取り回しがしづらい。
それに比べ、軽くて重心がほぼ中心にあるととても取り回ししやすいんです。
しかもPG5の形状はほぼ左右対称ですからそれも起因しています。

うーん…流石ぺんてる。
素晴らしい設計です。

こういった要素がロングセラーを打ち立てているのかも。

そういえばPG5は800円なんです。
自分は最初、800円なんて中途半端な価格なら1000円のほうがいいや、と思ってなかなかPG5に手を出していませんでしたがこれは1000円の製図ペンシルと比較しても余りある素晴らしいペンシルだと思います。
ただ樹脂製なのでもうちょっと安く出来る気もしますが…(^^;)

「製図用ペンシル」という名の通り、実用性に特化しつつも無骨なデザインを上手く転用して昭和レトロ感を残した非の打ち所のないペンシルだと思います。
是非、まだ使ったことのない方は買ってみることをお勧めします。

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前回の「プラチナ万年筆/センチュリーシャルトルブルーロジウム」のは記事はこちらから。
→ センチュリー シャルトルブルーロジウム の記事
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黒酢菌

Author:黒酢菌
某芸大を目指している高校生。
完全に文系。
考えることが好き。
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